カテゴリー : Movie

HOSTEL

  • 2006年 11月 4日
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R指定にもかかわらず、全米興行ランキング1位を獲得。しかし、そのあまりに凄惨な内容からか、日本の一般メディアでは黙殺に近い状態。東京ですら現状はミニシアターでの単館上映という数奇な運命の映画『HOSTEL』を観てきました。 ストーリーを知らないで観るのも面白いでしょうけど、まったく知らないまま観てしまうとかなりの暗黒体験となるので支障ない程度にあらすじを書きますと・・・。 セックス&ドラッグ浸りの東欧旅行を楽しむ3人組みの男が流れ着いたスロバキア郊外のホステルは噂通りの快楽の宿。しかし、宿から一人二人と姿を消し、彼ら(彼女ら)が連れ去られたところは死ぬまでそこを出られない謎の拷問施設。 いくら助けを求めても言葉も通じない異国の拷問部屋で、メス、チェーンソウ、かぎ爪、バーナーとありとあらゆる工具・器具で、生きながら拷問官の意のままに・・・。 ・・・というゴアシーン満載の、はっきり言って見る人をかなり選ぶ残酷映画です。 どう比べたってこっちの方がはるかに主人公が辛くて悲しい目に遭っているにもかかわらず、昨今のオサレ系悲恋映画みたいに「泣きました!」「感動しました!」とカップルが映画館の前で豪語してくれません! 彼らの境遇の方が悲しいじゃないか! クエンティン・タランティーノ製作総指揮だけあって、随所にニヤリと笑えるシーンもあるにはあるものの、とにかく拷問シーンが痛い! 殺人鬼が暴れまくってグシャグシャのグチョグチョというかつてのスプラッター系と違って、いかにも『SAW』以降の、精神的攻撃に特化したサディスティックな描写満載で、最初の拷問シーンでは「観るんじゃなかった」と一瞬公開。 しかし、単なる残酷映画ではないのがこの作品の凄いところ。 特にシナリオは伏線満載ながら強引さが無く、前半で交わされていた台詞や小物が、後半で次々とその意味をあらわにしていく観ていて小気味よい展開。 リアルな描写のゴアシーン満載という現代的なアメリカンホラーながら、古典的なイタリアンホラーっぽい退廃的な雰囲気とセオリーも盛り込んであり、そのうえ次々変わる場面展開で最後まで飽きさせません。 数十秒ながら三池崇史が役者として登場しているのも見所かと。(見た目だけで言えばこの映画の登場人物の中で一番怖い) ゴアシーンに拒絶反応起こす方には決してお薦め出来ませんが、傑作と言っていいと思いますよ。 もう一回観たいっす。- [ 続きを読む ]

エイリアンVS.プレデター

  • 2005年 7月 2日
  • カテゴリー : Movie

20世紀フォックスにとって鳴り物入りの大作ながら、各方面で評判のよろしくない『エイリアンVS.プレデター』。 『エイリアン』といえば、個人的に「最も好きな映画」であり、『プレデター』も傑作と評価しているだけに「観てはいけない映画」と決めつけてました。 しかし、松本人志、木村祐一両名が「面白い」と言い切っているのを知って恐る恐る観賞。 以下、極力ネタバレ無しでまいります。 まず、今ひとつ花がない役者陣にガッカリするものの、ビショップ(ランス・ヘンリクセン)が出てきてちょっぴり盛り上がる。さすが、エイリアンシリーズ影の主役。 とはいえ、登場人物面の見所はビショップだけ。 で、なんやかんやあって(割愛しすぎ)遂にエイリアンとプレデターの戦いが始まります。 SF界夢の共演なわけですが、ここで早くもふと疑問に思う。 「・・・別にどっちが勝ってもいいじゃん」 双方、凶悪殺戮生物として度を超しているだけに、どっちを応援するとか感情移入できるはずもなく、戦いが激しくなればなるほど「あ〜、ホントお前らうっとうしいな〜。どっか人目につかない所で勝手にやっててや。」と画面に軽いツッコミを入れつつ観賞。 ・・・と、このあたりから俄然面白くなるのです。 要するにツッコミ所満載なのですが、演出上の稚拙な部分にツッコミを入れられるタイプではなく、最初から観客の反応を意識して盛り込んだようなツッコミ所が満載。 アメリカ人が映画館で大声出しながら盛り上がれる映画っつー感じです。 ツッコミ所+格闘! まるでWWE! というわけで、確かに面白かった!!! 20〜30年前のB級ホラーテイストのオチもグッド。 SF好きの多くが酷評しつつ、まっちゃん+キム兄が「面白い」と言い切ってるあたりが、この映画の性格を表しています。 ポール・アンダーソンって、スケールの大きな設定を“こぢんまり”まとめてしまう事にかけて右に出るものがいない監督なので、このAVPもショボイといえばショボイんですが、手堅くまとめてハズレのない映画を作るのもこの監督の良いところ。(例:バイオハザード、イベントホライゾン) オタク監督だけあって、シリーズへのオマージュ盛りだくさん。『エイリアン4』を除くほぼ全作品を観ていないと設定の意味が解らない+面白がれない部分も山盛りですが、意外とこれは見ていない人の方が楽しめるのかな。 参考までに両シリーズをまとめて、面白かった順にランクをつけるとこんな感じですよ。 1位:エイリアン(金字塔) 2位:エイリアン2 3位:プレデター 4位:エイリアンVS.プレデター 5位:エイリアン4(これも意外と面白い。AVPと同点かも。) 6位:プレデター2(ラストシーンだけ面白い) 7位:エイリアン3(あまりの駄作っぷりに繰り返し観てしまう) エイリアンVS.プレデター 1枚組 通常版2005-04-15 by G-Tools- [ 続きを読む ]

Mr.BOO! DVD-BOX

  • 2005年 5月 20日
  • カテゴリー : Movie

遂に出ちゃったりなんかしちゃったりて。 『Mr.BOO! DVD-BOX』! 収録作品は・・・ ●『Mr.BOO!ミスター・ブー』 ●『Mr.BOO!インベーダー作戦』 ●『Mr.BOO!ギャンブル大将』 ●『新Mr.BOO!アヒルの警備保障』 ●『新Mr.BOO!鉄板焼』 すべてデジタルリマスター版というのもさることながら、今回は遂に広川太一郎氏による日本語吹き替え版の収録が実現しちゃったりなんかしちゃったりて。 僕の香港好きの起源ともいえる『Mr.BOO!』ですもの、ここは単品版ではなく迷わずボックスで予約しちゃったりなんかしちゃったりて。(予約した後で冷静に考えると『鉄板焼』はいらなかったかなとも思っちゃったりしちゃったりなんかしちゃったりて。) と、書いていて自分でもウザいと思えるほど、太一郎節というのは場合によっては少々鬱陶しいのですが(笑)、『Mr.BOO!』は太一郎節なくして語れません。 少なくとも日本では広川太一郎氏の吹き替えなくして『Mr.BOO!』とはいわんのです。 なにしろ、広川太一郎版(TV放送版)を先に知っていると、オリジナルの広東語版ではホイがあまりに無口でビックリしますから。(正確にはホイが喋らないのではなく、広川太一郎氏が本来の台詞にないことをアドリブで喋りすぎるているのだが・・・。) オリジナル版の『Mr.BOO!(半斤八両)』ではマイケル・ホイはあまり喋らないので、日本語版とは笑い所が微妙に違っちゃってるという程に作品のカラーを大きく塗り替えてくれますし。 そういえば高校生の時、行きつけの楽器屋の店員さんがマイケル・ホイに激似だったんで、友達と一緒に『Mr.BOO!』のテーマを口ずさみながら楽器とか見てたなぁ・・・。 (本人、お気付きだったかどうかは不明) ※『新Mr.BOO!鉄板焼』のみ日本語吹き替え版未収録です。- [ 続きを読む ]

『カンフーハッスル』

  • 2005年 1月 4日
  • カテゴリー : Movie

一昨日は邦衛にドップリ浸かってしまって正月気分皆無だったわけで、三日は「正月らしいことをしよう」と、正月映画を観に出かけたわけで・・・。(←北の国から熱、完治せず) そんなわけで『カンフーハッスル』を観てきましたよ。 チャウ・シンチー最高! 予想以上に最高! 笑わせどころのテクニックは、チャウ・シンチー作品としておなじみの展開。 1.立ちすぎるほどキャラの立った、アクの強い役者 2.3回以上繰り返すしつこいギャグ 3.キャラの動きと表情が一致していないシュールさ 以上の繰り返しなんですが、いろいろな面で度を超していて『食神』や『少林サッカー』以上に笑えましたよ。 映像的には“コメディ映画”っつーよりは、も〜“ギャグマンガ”の領域! くだらなくって最高! ついでに言うと、日本の宣伝コピーが「ありえねー。」じゃなかったらもっと良かった。なんですか? このコピーのこざかしいブッチャケっぷりは(笑)。 たしかに、諸々のCG処理によるアクションシーンは「ここまでやるか」という“やり過ぎ度”でしたが、CGの使い方としては実に正しい。 スターウォーズとか、マトリックスとか、シリアスなストーリーの映画でCGのボロが見えると興醒めしますが、コメディだと“マンガっぽさ”が強調されてバカバカしさ倍増! それから、カンフー映画としても実に正しい。 昔カンフー映画を観て思った「マジかよ!?」っていう驚き(しかも“いかがわしさ”のトッピング付き)を現代に再現しようと思ったらコレくらいやらねば。 頭に爆竹を投げられる斧頭会の副組長役でラム・シュー(『ザ・ミッション/非情の掟』で太めのボディガードを好演)が出ていたので「ヒロイン以外でもメジャーな役者使うじゃん」と思っていたら、ラム・シューのデビューはチャウ・シンチーとの共演(’94)だったそうな。 ここで、この映画のバリュー度を換算してみますと、そのラム・シューが出た時点で「500円分」、映像・ストーリー・配役で「3000円分」、音楽の良さで「1500円分」と、トータル5000円。 実際には1800円なので、3200円も得した福袋的な映画でした。 と、解りにくいほめ言葉で締めさせて頂きます。 (いや、ほんと面白いって。)- [ 続きを読む ]

インファナル・アフェア

  • 2004年 11月 25日
  • カテゴリー : Movie

本来、映画なんてものも映画館で観ればいいわけで、DVDで観ようとするから我が家に“物”が貯まってしまうわけですよ。 と書きながら、苦言の矛先が自分だと言うことに今更ながら気が付いて軽くへこむ今日この頃。 でもね。家で観れば前に座っている人の後頭部も気にならないし、その大きさは別として映像は明るくて見やすいし。 新宿あたりの設備の悪い映画館でフラストレーション貯めるよりは良いです。 で、劇場公開時に観るのを我慢して、DVDが出るのを待ったりするんですけど、待ちすぎてDVDが出ても気が付かなかったり・・・。 そんなわけでやっと観た『インファナル・アフェア』。(続編公開で思い出した!) 韓流つーことで「ペ」とか「イ」とか「プ」とか、盛り上がってますが(よく知らないので一部適当)個人的にアジア映画といえば香港ですよ。 ジョン・ウー、チャウ・シンチーの作品以外では久々に観た香港映画ですが、これ、カッコよすぎ。 マフィアのスパイである警察官と警察のスパイであるマフィアの駆け引きというのは、同じ香港映画の『友は風の彼方に』や『ハードボイルド』を思い起こさせますが、『インファナル・アフェア』では、よりスリリングに、それでいて静かに淡々と描かれています。 一言でいうならスタイリッシュ。でも冷たくならずに、良い意味で人間くさい。 ブラッド・ピットが惚れ込んでハリウッドでのリメイク権を手に入れたそうですが、トニー・レオンの役をやるのか?それともアンディ・ラウの役をやるのか? つーか、リメイクしなくて良いからこのまま観なさいよ!>アメリカの人 男なら是非観るべし。 インファナル・アフェア アラン・マック おすすめ平均 画面から目が離せなくなる映画 良いマフィア映画。 香港の底力 恋愛以外にもせつなさがある Amazonで詳しく見るby G-Tools ・・・と、ここで終わると“前置き”の方が長くて情けないので以下オマケ。 この映画、アンディ・ラウもトニー・レオンも男惚れのカッコよさなんですが、実は一番印象に残るのがアンソニー・ウォンのカッコよさ。 そんなわけで3度目のDVD観賞となったのがアンソニー・ウォンの渋さが静かに爆発する『ザ・ミッション』。 こうしてみると『八仙飯店之人肉饅頭』の殺人鬼役をやった人とはとても思えません。 これ、香港映画としてはここ数年の個人的ベストワンです。 無駄な台詞が一切無い中、その少ない台詞と役者の表情で全てを表現しきる漢汁にじみまくりの超傑作。 そしてこだわりきったカメラワーク。 最初は淡々としすぎてピンと来なかったけど観れば観るほど凄さが染み入ります。 ザ・ミッション/非情の掟 フランシス・ン コウ・ホン アンソニー・ウォン ロイ・チョン チェン・チュウキョン ジョニー・トー おすすめ平均 夜の映画 何度観ても飽きない ザ・ミッション 非情の掟 静かな緊張が心地よいバイオレンス Amazonで詳しく見るby G-Tools- [ 続きを読む ]

『ドーン・オブ・ザ・デッド』

  • 2004年 11月 7日
  • カテゴリー : Movie

く〜っ! 最高っす! まだ観ていない方にネタバレになると申し訳ないので詳しく書けませんが、クライマックスの改造トラックで○○するシーンを観て、オリジナルを超えたと確信。 同じ、古典ホラーのリメイクもの、『テキサス・チェーンソー』のレビューでは「オリジナルに負けていない」的な評価を書きましたが、今回は引き分けどころか、文句なしの判定勝ち。(“判定”というところにオリジナルに対する敬意を込めてみました。) 本家本元である『ゾンビ(Dawn of the Dead)』は、オリジネイターとしてあの時代にああいう作品を世に出したというだけでも素晴らしい映画かつ永遠の名作なので、リメイクするのはホラーファンにとっては暴挙とも言えるのですが、オリジナルのファンをも唸らせる快作に仕上がっています。 『ゾンビ』の大筋を残しつつ軽快でパワフルな描写でリメイクし、『ゾンビ』で表現しきれなかったことを描ききっていて、映画としての完成度も非の打ち所無し。 しかも、ホラーファンの琴線に触れる(どんなんだよ?それ。)この映画ならではのアイデアも満載。 アイデア満載な分、細かいエピソードが次々と描かれ、『ゾンビ』のようなザックリとした恐怖感は無いけど、どっちが面白いか? といわれれば、文句なく『ドーン・オブ・ザ・デッド』。 また、ゾンビの設定に対する説明(ただし、オリジナルとは設定が違う)、人物描写、時間とともに追いつめられる生存者の立場、人間が本来持つ善と悪の二面性、生存者のその後に対する謎、等々『ゾンビ』で描き切れていなかった部分が、本作ではなんの無理もなく描かれていて、『ゾンビ』あっての『ドーン・オブ・ザ・デッド』という心憎い仕上がりになってます。 その上、前述の改造トラックシーンなど、ホラー/アクション映画としても、いままで観たこともないような斬新なシーンも多く、10年後、20年後にも評価されそうな出来の良さ。 観る前には「掟破り」と思っていた「全力疾走するゾンビ」という設定も、いざ観てみるとこの映画の世界観を『ゾンビ』とは違ったものにするために有効に働いていて好印象。 “ゾンビ”と“生存者”の力関係がオリジナル版とはガラリと変わっていて、全編通して「絶体絶命」な感じが5割増しです。 その上、ラストも秀逸。(エンドロールが出ても終わりじゃない!) 「全力疾走するゾンビ」といえばダニー・ボイル監督の『28日後…』も、そんな設定でしたねぇ。 『28日後…』は気取りすぎでテンポも悪く、設定も中途半端でラストもつまらなかった・・・なんて、僕と同じ感想をお持ちの方には特にお薦めです。 ドーン・オブ・ザ・デッド ディレクターズ・カット プレミアム・エディションアーミアン・バーンスタインポニーキャニオン2004-11-05 by G-Tools- [ 続きを読む ]