『ドーン・オブ・ザ・デッド』

く〜っ! 最高っす!
まだ観ていない方にネタバレになると申し訳ないので詳しく書けませんが、クライマックスの改造トラックで○○するシーンを観て、オリジナルを超えたと確信。
同じ、古典ホラーのリメイクもの、『テキサス・チェーンソー』のレビューでは「オリジナルに負けていない」的な評価を書きましたが、今回は引き分けどころか、文句なしの判定勝ち。(“判定”というところにオリジナルに対する敬意を込めてみました。)
本家本元である『ゾンビ(Dawn of the Dead)』は、オリジネイターとしてあの時代にああいう作品を世に出したというだけでも素晴らしい映画かつ永遠の名作なので、リメイクするのはホラーファンにとっては暴挙とも言えるのですが、オリジナルのファンをも唸らせる快作に仕上がっています。
『ゾンビ』の大筋を残しつつ軽快でパワフルな描写でリメイクし、『ゾンビ』で表現しきれなかったことを描ききっていて、映画としての完成度も非の打ち所無し。
しかも、ホラーファンの琴線に触れる(どんなんだよ?それ。)この映画ならではのアイデアも満載。
アイデア満載な分、細かいエピソードが次々と描かれ、『ゾンビ』のようなザックリとした恐怖感は無いけど、どっちが面白いか? といわれれば、文句なく『ドーン・オブ・ザ・デッド』。
また、ゾンビの設定に対する説明(ただし、オリジナルとは設定が違う)、人物描写、時間とともに追いつめられる生存者の立場、人間が本来持つ善と悪の二面性、生存者のその後に対する謎、等々『ゾンビ』で描き切れていなかった部分が、本作ではなんの無理もなく描かれていて、『ゾンビ』あっての『ドーン・オブ・ザ・デッド』という心憎い仕上がりになってます。
その上、前述の改造トラックシーンなど、ホラー/アクション映画としても、いままで観たこともないような斬新なシーンも多く、10年後、20年後にも評価されそうな出来の良さ。
観る前には「掟破り」と思っていた「全力疾走するゾンビ」という設定も、いざ観てみるとこの映画の世界観を『ゾンビ』とは違ったものにするために有効に働いていて好印象。
“ゾンビ”と“生存者”の力関係がオリジナル版とはガラリと変わっていて、全編通して「絶体絶命」な感じが5割増しです。
その上、ラストも秀逸。(エンドロールが出ても終わりじゃない!)
「全力疾走するゾンビ」といえばダニー・ボイル監督の『28日後…』も、そんな設定でしたねぇ。
『28日後…』は気取りすぎでテンポも悪く、設定も中途半端でラストもつまらなかった・・・なんて、僕と同じ感想をお持ちの方には特にお薦めです。

ドーン・オブ・ザ・デッド ディレクターズ・カット プレミアム・エディション
アーミアン・バーンスタイン
ポニーキャニオン
2004-11-05

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