2009年 12月 の記事

2009 アルバムベスト10

  • 2009年 12月 31日
  • カテゴリー : Music

別に誰に期待されているわけでもないのに、習慣としてこれをやらないと気分的に年が納まらない気がするので、今年もアルバムベスト10を。 10枚に絞りきれなかったので12位から。   12位 凸~デコ~仙台貨物 色モノというだけでは片付けられない、ハイクオリティでキャッチーな楽曲。そして本来(?)の姿であるナイトメアとしてのステイタスをかなぐり捨てたエロ(ゲイ)歌詞、全裸パフォーマンス、東北訛りという人として振幅の広さに唯々感心する仙台貨物。 倒産(解散)が悔やまれる。   11位 Sweet Children O’Mine湯川潮音 ロックの名曲をアコースティックでカバー。ありがちな企画モノだけど、この歌唱力でやられるとオリジナル曲のような存在感と説得力に。とてつもない求心力の1枚。   10位 告白チャットモンチー たった3人でこの煌びやかさ。ガールズバンドという以前に、すべてのバンドのお手本のようなアンサンブルの良さ。アルバム毎にジワリと成長していく姿も、娘の成長を見守るような親父目線で接している自分にとってはツボです。   9位 シーズン2筋肉少女帯 いまだに再結成筋少は認めていないのだけど、そういう自分をも屈服させる詞の良さと曲の良さ。 心の底の、のび太マインドを払拭できない人間にとっては、この悲しくて力強い筋少節は世間に向けて放つロボコンパンチのごとし。   8位 CHRONICLEフジファブリック 合掌。5年後、10年後の活躍が楽しみな、とてつもない才能のミュージシャンでした。   7位 プロレタリアン・ラリアット怒髪天 「自分たちが本当に納得した曲しか出さない」と言い切るだけある。歌詞をかみしめながら聴けば、パンク調だろうが、サンバ調だろうが、どれもホロリと泣けてくるリズム&演歌。曲数が少ないので残念ながらランキングはちょい低め。   6位 未来浪漫派人間椅子 おどろおどろしいヘヴィメタル曲が少ない分、アップテンポのハードロックンロールが多い快作。20年以上のキャリアながら『冥土喫茶』のようなクオリティの曲を書ける才能の枯れなさっぷりも凄い。ただし、ここ数年の傾向としてワジー曲の歌メロが弱いのがちょっと残念。   5位 歩幅と太陽eastern youth 1曲目の『一切合切太陽みたいに輝く』だけで買う価値有り。 キャッチーなアレンジを排除した為か、ファンの間でも賛否両論あるようだけど、このアルバムが気にいらないならeastern youthのファンをやめてもいいんじゃないだろうか。 歌詞と曲を丸ごと一体で聞くべきアルバム。サビが曲の価値を決めると思っているような若い世代には解りにくいかもしれないけど。   4位 THE EVERLASTING -魂宗久遠-LOUDNESS 他界した樋口宗孝の生前のレコーディングトラックを利用し、ドラムパートを細かくつなぎ合わせて新しい楽曲に作り上げるという力業で作り上げたアルバムながら、バンドとしての一体感が凄い。オリジナルメンバーでの再結成後の作品としてはベスト。   3位 アウトレイジOUTRAGE 音楽業界から身を退いていたVo.橋本直樹が復帰。11年のブランクをものともせず最高傑作を作り上げる力量と精神力に感服した。正に渾身の一枚。 スラッシュ好きならMetallicaの『ブラック・アルバム』以降のCDを全部売り飛ばしてこれを買うべき。 歌唱力、演奏力、楽曲、サウンド、すべて日本人とは思えないクオリティの高さ。   - [ 続きを読む ]

勤労

  • 2009年 12月 24日
  • カテゴリー : Book . Diary

基本的に仕事のことは日記に書かないようにしてきましたが、あまりに仕事漬けで書くことがないので仕事ネタ。 かなり長い時間をかけて地道に作ってきた1冊の本が、やっと先週発売されました。 検索除けのためタイトルは書きません。 31人の女生徒が魔法使いの先生と一緒にパンチラ、乳チラしながら活躍する少年マガジン連載中の人気コミックの公式解説本です。(たとえが大雑把ですんません。) 週刊誌連載4年分、巻数にして18巻分の詳細解説を高密度で詰め込んだの2冊セットでトータル750ページ!! 装丁はもちろん、本文のデザインからページオペレーションまでやらせていただきましたよ。 怖々、ネットでの評判をチェックしたら、予想をはるかに超えた高評価で一安心。なんか絶賛されてるよ。うれしいすなぁ。 安い本じゃないし、ファンにとっては愛蔵版になるわけだから、全体的なデザインはもちろん、画像の切り抜きにいたるまで丁寧に積み重ねた結果の一冊(二冊組みだけど)なので報われました。 もちろん、編集さん、ライターさんが、手抜き無く真面目に地道にコンテンツを練り込んだからこその高評価。デザインはそれを解りやすく伝える為の盛りつけであり、パッケージングでしかないわけですが。 し・か・し……だ。 この、執念と拘りのメンツの中でひとりだけ手抜き野郎がいたのだ。 この750ページ中のメインとなる600ページオーバーは僕ひとりでデザインしたのですが、残り部分・・・巻頭と巻末のおまけ的企画を担当したもうひとりのデザイナーの仕事っぷりが酷いったらありゃしない。 日本語組版の常識を知らないのか、仕事が超絶的に雑なのか。 行間不揃い。位置がずれていることが一目でわかる見出し文字。セオリー無視の改行。明朝であろうとも文字詰め皆無。無意味な斜体。無意味なドロップシャドウ。文頭6文字で改行しないでよ(笑)。 いや、そのデザイナーさんは単に忙しかったのかも知れない。この仕事に興味がなくて嫌々やったのかも知れない。もちろん単純にスキルが低いのかもしれない。 それに、一般の読者はこの細かい手抜きっぷりに気がつかないかも知れない。 でもね。そうだとしたら仕事をくれたクライアントさんに、そしてなりよりお金を出して買った読者に失礼すぎやしないですか? もの作りって、誰にも気付かれないような細かい部分を練って磨いて、見えないところで努力して、それで、やっとお客さんとか消費者が普通に「いいね」って言ってくれるのものじゃないんですかね。 「心ない仕事」で人を喜ばすことなんて出来ないでしょ。てか、最初からそういうことを目標にしてないのかねぇ。 そういう価値観の相違なら返す言葉もないのですが。- [ 続きを読む ]