別に誰に期待されているわけでもないのに、習慣としてこれをやらないと気分的に年が納まらない気がするので、今年もアルバムベスト10を。
10枚に絞りきれなかったので12位から。
12位
凸~デコ~
仙台貨物

色モノというだけでは片付けられない、ハイクオリティでキャッチーな楽曲。そして本来(?)の姿であるナイトメアとしてのステイタスをかなぐり捨てたエロ(ゲイ)歌詞、全裸パフォーマンス、東北訛りという人として振幅の広さに唯々感心する仙台貨物。
倒産(解散)が悔やまれる。
11位
Sweet Children O’Mine
湯川潮音

ロックの名曲をアコースティックでカバー。ありがちな企画モノだけど、この歌唱力でやられるとオリジナル曲のような存在感と説得力に。とてつもない求心力の1枚。
10位
告白
チャットモンチー

たった3人でこの煌びやかさ。ガールズバンドという以前に、すべてのバンドのお手本のようなアンサンブルの良さ。アルバム毎にジワリと成長していく姿も、娘の成長を見守るような親父目線で接している自分にとってはツボです。
9位
シーズン2
筋肉少女帯

いまだに再結成筋少は認めていないのだけど、そういう自分をも屈服させる詞の良さと曲の良さ。
心の底の、のび太マインドを払拭できない人間にとっては、この悲しくて力強い筋少節は世間に向けて放つロボコンパンチのごとし。
8位
CHRONICLE
フジファブリック

合掌。5年後、10年後の活躍が楽しみな、とてつもない才能のミュージシャンでした。
7位
プロレタリアン・ラリアット
怒髪天

「自分たちが本当に納得した曲しか出さない」と言い切るだけある。歌詞をかみしめながら聴けば、パンク調だろうが、サンバ調だろうが、どれもホロリと泣けてくるリズム&演歌。曲数が少ないので残念ながらランキングはちょい低め。
6位
未来浪漫派
人間椅子

おどろおどろしいヘヴィメタル曲が少ない分、アップテンポのハードロックンロールが多い快作。20年以上のキャリアながら『冥土喫茶』のようなクオリティの曲を書ける才能の枯れなさっぷりも凄い。ただし、ここ数年の傾向としてワジー曲の歌メロが弱いのがちょっと残念。
5位
歩幅と太陽
eastern youth

1曲目の『一切合切太陽みたいに輝く』だけで買う価値有り。
キャッチーなアレンジを排除した為か、ファンの間でも賛否両論あるようだけど、このアルバムが気にいらないならeastern youthのファンをやめてもいいんじゃないだろうか。
歌詞と曲を丸ごと一体で聞くべきアルバム。サビが曲の価値を決めると思っているような若い世代には解りにくいかもしれないけど。
4位
THE EVERLASTING -魂宗久遠-
LOUDNESS

他界した樋口宗孝の生前のレコーディングトラックを利用し、ドラムパートを細かくつなぎ合わせて新しい楽曲に作り上げるという力業で作り上げたアルバムながら、バンドとしての一体感が凄い。オリジナルメンバーでの再結成後の作品としてはベスト。
3位
アウトレイジ
OUTRAGE

音楽業界から身を退いていたVo.橋本直樹が復帰。11年のブランクをものともせず最高傑作を作り上げる力量と精神力に感服した。正に渾身の一枚。
スラッシュ好きならMetallicaの『ブラック・アルバム』以降のCDを全部売り飛ばしてこれを買うべき。
歌唱力、演奏力、楽曲、サウンド、すべて日本人とは思えないクオリティの高さ。
2位
シャンブル
ユニコーン

人によって思い入れが違うだろうけど、僕はこの15年ぶりのアルバムこそUNICORNの最高傑作だと信じて疑わない。特に『ひまわり』『R&R IS NO DEAD』『HELLO』等、阿部曲の完成度の高さが凄い。
『HELLO』は自分の中で『すばらしい日々』を越えた。
1位
METAMORPHOSIS
DEAD END

伝説のバンドが20年ぶりに復活。そして、3位、2位に続いてこれもまたバンドを再結成しての史上最高傑作。
(元)黒夢の清春や、ラルクのhydeなど、多くの後継者を生んだMORRIEの歌唱法も、齢45にして再びフォロワーを突き放すほどの健在っぷり。湊雅史のドラミングが変化しているので、昔のようにダンサブルでは無くなったけど、それを補って余りある足立祐二のギタープレイ。まさに20年目の夢殺し。
というわけで、今年は洋楽皆無でそのうえ、ほとんどのバンドがオーバー40のグループ。個人的にはおっさんの底力を見せつけられた1年でした。しかも、1位、2位、3位の3組は、再結成・再加入のリユニオン組。
さて、来年は? てな感じのそれっぽい締めの言葉でさようなら。また来年。