『バクネヤング』の真実

昨日、『映画秘宝』に載っていた記事を見て、あるサイトを探しだして読み出したらとまらなくなって不覚にも3時間費やす。(仕事しようと思ったのに)
稀代のバイオレンス漫画『バクネヤング』の作者、松永豊和さんの自伝。

http://book.geocities.jp/monene39/novelmangamiti.html

『バクネヤング』が休載に休載を重ね、掲載誌が次々とかわり、はては未完のまま消え去った経緯が作者を翻弄した編集者への恨み節と共に濃〜く語られていて一読の価値有り。
ただし、一方的な視点のパラノイア的な罵倒がこれでもかと書かれているのでそういうのが嫌な人にはお勧めできませんが。
一方的な悪口混じりの私小説というと、個人的には『東京タワー』を思い出しますが、リリー・フランキーの文章は悪意のない人間に対する逆ギレ的罵倒で不快だったのに対し、こちらは言いたいことは伝わってくるし、その理由も(しつこいくらいに)説明されていて不快感は無いです。(当事者が読んだらたまらないだろうけど)
すべて仕上がった時点で良いものになるよう、細かい部分の表現にわざと負の要素を加えたり、力を緩めたり、あえて突出させたりというのは、ものを作る人間なら誰でもやることだろうけど、そういう、細かい部分だけを見て横やり入れる人っているよね。
俯瞰で見ないでピンポイントでいろいろ言うのは誰でも出来るから。
仕方ないから、そういうリクエストに応えて修正すると、大抵はバランスを欠いた珍妙なモノになってしまうのです。
松永さんの自伝はそんな話です。

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