ビアガーデンで羊をいただく

先日の話のつづき。
折角銀座まで来たんだからと仕事終わりの奥さんを呼び出して松坂屋屋上のビアガーデン『麦羊亭』へ。
そう。もうビアガーデンの気節なんすよ。イエー!
夏は大嫌いだがビアガーデンは大好き。
本当は、ジンギスカンブームに便乗して、専門店に行こうかと思ったんだけど、洒落臭いまでに混んでいるらしいので、もっと下世話に食おうと思ったわけです。(松坂屋屋上のビアガーデンはジンギスカンがメイン)
キミらいつからそんなにジンギスカンが好きになったんですか? それほど食べたこと無かったっしょ? 正しい焼き方知らないっしょ?
・・・と、悪態のひとつふたつも吐いてみたくなる今時のジンギスカンブームですけど、つまりは僕にも食べさせてくださいよって事だ。北海道出身なんだから(泣)。
なにしろ、北海道の焼肉文化といえばジンギスカン。
北海道人は単に他の焼肉というものを子供の頃からほとんど知らないだけですけどね。
東京に住んでから、友達が「昨日焼肉食べちゃった」とか自慢げに言ってるのをきいて「はぁ?」ですよ。
「別に、そんなごちそうか?おい?」・・・と。
そんな僕が、骨付きカルビとかタン塩の魔力にひれ伏すのはもっと後の事。
まさか、焼肉って牛の肉を焼くことだとは知らなかった。そっか〜、牛って食えるんだ〜。(なにしろ“乳牛”文化)
とにかく、北海道の肉文化というのは本州を基準に考えるとねじ曲がっていて、それは“焼きトン(豚)”を“焼きトリ”と言い切ることからも察してください。
そう、知ってる人も多いかも知れませんけど、北海道のヤキトリ=豚肉です。
“トリ”って自分で言っといて豚かよ!
そういう文化の下で育ってしまったので、ジンギスカンにはうるさい。
特に「肉の下味」「タレ」「焼き方」にうるさい。
語り始めると長くなるので割愛しますが、簡単に言うと、下味の付いていない生ラムを『ベルのタレ』で食べるのが一番のオススメ。
焼き方は、ヘルメット型のジンギスカン鍋を熱しながら、先ず、てっぺん部分を中心に脂を引き、鍋の淵の部分に野菜を置いて、肉は中央で焼く。(中央の肉を野菜で囲む)
そうすると鍋の中央から滴った肉の脂を使って蒸され、野菜がいくらでも美味しく食べられるぞ!お試しあれ!(おなじみ、クッキングパパ登場)
ま、食べるひとが美味しいと思えばどう焼いたっていいんですけど、野菜の旨みがかなり違ってくるので、できればこのセオリー通りに焼くのがオススメ。
ブームといってもまだまだ浸透していない為か、専門店では店員さんがこの焼き方を丁寧に説明する事が多いようですが、松坂屋のビアホールでも若いお兄ちゃんがテーブル毎に説明してくれていました。
「鍋に脂を引いていただいて、野菜の上に肉を乗せて焼いてください」
兄ちゃん、それ違う!
たまたまテンパって、うちらのテーブルだけ説明を間違ったのかと思って「はい。はい。」とやり過ごしましたが、周囲のお客さんにも全く同じ説明。
鍋はヘルメット型なので野菜よりも高い位置に肉を置くという意味では間違ってないんですけど、野菜の真上に肉を乗せたら焼けないから。出てくるモヤシは大量だし。北海道民はそんな食べ方は推奨しません。
でも、半数以上のお客さんは言われるがまま大量のモヤシの上にラムを乗せて焼いていました。
案の定、野菜と肉を山盛りにしてしまった近くの席のカップルは鍋を見つめたまま15分ほど過ごしていました。
男と女と鍋の上の羊。三者、実に気まずい雰囲気・・・。
ま、ラムは半生でも食べられるんですけど。(羊はしっかり火を通した方が美味いと思うんですけど日本人は生もの信仰があるので、そのへんも好きずきで。)

その他、野菜は全く無視して、肉を鍋全面に敷き詰める宴会グループなども登場。どんだけ肉好きなのよ(笑)。
ところで肝心の味の方ですが、ビアガーデンなのでまったく期待してなかったんですけど、下味もアッサリしていて予想以上に美味い。お試しあれ!(またしてもクッキングパパ登場)

oc_bakuyou
↑肉が焼けてから写真とれば良かったっす。(あまりおいしそうに見えない)

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