吾妻ひでお『失踪日記』
吾妻ひでおの自伝マンガにして最新作。
世間的にはロリマンガの第一人者みたいな認識もありますが、日本でも数少ない“SFらしいSFマンガ”を描ける方。
(“SFのようなファンタジー”を描けるマンガ家さんは沢山いますが・・・)
とはいえ、僕の頭の中にあるSFというのは筒井康隆、小松左京、星新一の御三家のみなんですけどね。
そんなわけで、昔からファンなのですが、久々に新作が出たので購入。今回は自伝。相変わらずのこの人の日記系マンガは面白い。
一時マンガ家を辞めて肉体労働をしていたというのは知っていたのですが、なんと【失踪】→【自殺未遂】→【ホームレス】→【警察が保護】→【マンガ家復帰】→【また失踪】→【再びホームレス】→【ガス配管工】→【警察が保護】→【マンガ家復帰】→【アル中でリハビリ施設に強制入院】→【マンガ家復帰】という壮絶な人生を歩んでいたとは!
・・・と、このマンガは、その間の体験を事実だけに基づいて綴った日記マンガなのです。と、書くと、つげ義春的ですが、あくまでも客観的に、かつギャグマンガとして描かれています。
警官に保護された時、警察に吾妻ファンがいて色紙にマンガを描かされたとか、配管工時代に、ついついマンガ家としてのプライドが騒いで社内報にマンガを投稿して採用されてしまったりとか(だが、誰も吾妻ひでおだと気が付かない)、オタク体質なのに肉体労働で筋肉が鍛え上げられてムキムキの身体になって戻ってきたりとか、体験自体が充分面白いのですが、その体験をマンガというエンターテインメントに昇華させて、さらに面白い作品に仕上げているのが凄い。
今まで、吾妻作品を読んだことが無くても充分面白いはず。
これだけボロボロの生活をした後に描いているのに、今までで最も絵の質が高いっつー事にも驚かされます。(一時期、結構絵が荒れてましたから(笑))
少なからずギャグマンガ家は“あっちの世界”に行ってしまいがちですが、吾妻ひでおは(本人の意思とは関係なく)生還したばかりか、以前より脂がのってきてる感じ。
以前とうって変わってマイペースで仕事をされているようですが(一日2ページとか(笑))この人の“丸っこい”絵を眺めているだけで良い気分になれるので、末永くダラダラうつうつとテキトーに頑張って頂きたいものです。
25年の時を経て、遂に超名作『不条理日記(SF大会・星雲賞受賞作)』を超えた・・・と書いておきます。
はじめまして。
『失踪日記』かなり品薄状態のようで、出遅れた私はまだ読めてませんが、かなり壮絶な内容のようですね。
桜 玉吉のコミックスしかり、自らのダークサイドを漫画でギャグを交えつつ晒すのってスゴイ!
はやく手に入れたいものです。
>FOOさん
はじめまして。
さっき、amazonで確認したら、なんと売り上げランキング9位でした! 売れてますねぇ。
あじま先生、遂に脱マイナーか!?
購入されましたらカバーを外して裏面を見てみてください。
巻末のインタビューとは別に「隠しインタビュー」が載っていてこれまた面白いですよ。
買いました。
いやいや、ほんと壮絶ですね
読んでるときは笑ってたのですが、あとで冷静になると「これ実話だよなぁ」と。
うーん
なんでこうなったのか知りたい
そこはやっぱ書けないのかな…
>猫社長
面白いでしょ。巷でも大絶賛みたいでファンとして嬉しいっす。
全盛期の作品をリアルタイムで読んでいて思ったのは、もの凄く書くのが辛そうだって事でした。
(「ななこSOS」とかよく原稿落ちてた(笑))
もの凄い執筆量の中、自分で満足できるモノが描けない上に、一部のファンからも「面白くない」と言われて精神的に追いつめられたらしいですが、実際には一言では説明できないものがあろうかと。
ギャグマンガ家という職業自体が壮絶なんだろうなぁ・・・。
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Albert
- 2007年 10月 6日
- 返信
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Albert
- 2007年 10月 6日
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Wilhelm
- 2007年 10月 6日
- 返信
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Albert
- 2007年 10月 11日
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Wilhelm
- 2007年 10月 12日
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Wilhelm
- 2007年 10月 12日
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Wilhelm
- 2007年 10月 12日
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Wilhelm
- 2007年 10月 16日
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